スマホの使いすぎが手首や肘の不調を招く理由
〜その"手首の角度"、クセになっていませんか?〜
「スマホの持ち方」が怪我の原因?
現代の生活に欠かせないスマートフォン。
電車の中、ベッドの上、ちょっとした待ち時間……。
無意識のうちに「長時間同じ姿勢」でスマホを操作していませんか?
特に問題になるのが、“手首の角度”です。
手首が小指側に傾く=尺屈(しゃくくつ)
スマホを片手で持ち、親指で操作していると、手首は自然と「小指側(=尺側)」に傾く角度になります。
これを解剖学的には「尺屈」と呼びます。
そして、この状態が長時間・習慣的に続くと、以下のような影響が出始めます。
手首の動き│尺屈・橈屈
尺屈が続くことで起きるカラダのトラブル
① 手首の腱・関節にストレスがかかる
尺側手根屈筋などの腱に過剰なテンションがかかり、痛みやだるさにつながる
野球で肘周りで張りやすい筋肉の一つ
手首の安定性が崩れ、腱鞘炎やTFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷)の原因にも
② 肘〜前腕のねじれと緊張
長時間の尺屈により、前腕の筋肉(特に尺側の屈筋群)が硬くなり、肘の内側や外側に負担が
テニス肘やゴルフ肘、野球肘・肘内側側副靱帯の慢性ストレスにもつながる恐れ
トミージョン手術で有名な肘内側の靱帯の負担を減らす前腕の筋肉の柔軟性が悪くなると靭帯へのストレスが増える
投手ならシュートボールが増えやすくなる?!
③ 手の筋バランスの崩れ
尺屈位では小指〜薬指側の筋が過剰に使われ、親指側の安定性が低下
野球だとボールを握る指力が落ちてしまう傾向も
結果として、握力やスローイング動作、ラケット・クラブコントロールに悪影響
投球・ラケット・日常動作にも影響
スポーツ選手にとっては見逃せない問題です。
投球で「肘が抜けるような感覚がある」
スマッシュ時やサーブで「手首がグラつく」
ラケットスポーツで「手首の安定感がない」
こうした悩みがある人は、日常での“スマホ姿勢”が影響しているかもしれません。
【予防と対策】〜手首と肘を守るために〜
🔸 スマホを持つ姿勢の見直し
両手で操作する
手首が折れないよう肘〜前腕を支える位置で使う
🔸 尺屈予防ストレッチ&リリース
① 軽い回内・回外運動
前腕のねじれをリセットする回内・回外のエクササイズ
ゆっくりと10〜20回
②マッサージガンやIASTMによる筋膜リリース(専門ケア)
【ころも鍼灸マッサージ院でできるサポート】
当院では…
スマホ・PC操作による前腕の疲労、手首の硬さ、肘への負担を評価
骨間膜・骨膜へのアプローチ(IASTM/鍼灸/筋膜調整)
KOROMOアスレチックトレーニングと連携し、野球やラケットスポーツ選手のフォームに合わせた個別トレーニング指導
痛みの出にくいスマホ習慣へのアドバイスも実施中
まとめ
スマホを使いすぎると手首は尺屈し、肘・手首に余計な負担がかかる。
それはやがて“痛み”や“フォームの崩れ”として現れる。
気になる方は、まずはスマホを使う姿勢から見直してみましょう。
そして、早めのケアとトレーニングで、ケガを未然に防ぎましょう!